コラム(各種情報)

新第5回「オンラインゲームの重要特許」とは(2)

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

4.アバター・衣装・アイテムの動的同期と表示システム

先生

MMORPGやバトルロイヤルゲームなどで、大人数のプレイヤーがそれぞれ異なる見た目(アバターやスキン)や装備をつけていても、
それらをリアルタイムでお互いの画面に正しく表示・同期させる技術です。

 概要 多人数参加型オンラインゲームにおいて、周辺にいるプレイヤーのカスタマイズデータを効率よく読み込み、通信帯域を圧迫せずに描画する処理。

 意義 見た目の多様性とスムーズな動作を両立させ、課金アイテム(アバター等)の価値をオンライン上で正しく機能させるための重要な仕組みです。

 これはMMOや多人数参加型ゲームにおける一般的な課題であり、多くの特許が存在します。代表的なものとしては、以下のような特許が挙げられます。

 カプコンの特許(特許第5628581号、特許第5816997号など): 多人数参加型ゲームにおいて、他のキャラクターの表示を制御する技術に関連します。

(根拠となるURL)

 

 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

 

5.オンラインゲーム特許を巡る近年の動向

 パッケージゲームとは異なり、サーバー側プログラムのアップデートや運営型の性質を持つオンラインゲームでは、特許を巡る法的リスクやアプローチも変化しています。

「遊びのシステム」の係争: 近年では、育成シミュレーションのイベント発生ロジック(例:コナミとCygamesの『ウマ娘』を巡る訴訟)や、オープンワールド的な空間でのマルチプレイ・育成要素を巡る特許係争(例:任天堂・ポケモンによるポケットペア『パルワールド』提訴など)が注目を集めました。

(根拠となるURL)

任天堂 公式発表「株式会社ポケットペアに対する特許権侵害訴訟の提起について」(パルワールド関連)

https://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2024/240919.html

ポケットペア 公式発表「特許権侵害訴訟に関するお知らせ」

https://www.pocketpair.jp/news/20240919

 

6.業界全体のバランス

オンラインゲームはプレイヤーが頻繁にタイトルを渡り歩くため、過度な特許の行使は「ユーザーの選択肢を狭める」として議論になることも多い一方、企業にとっては膨大な開発費がかかるオンラインタイトルの独自性を守るための必須の盾となっています。

(根拠となるURL)

             https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0747563219302602

 

 

                                                                         © 植村総合事務所 弁理士 植村貴昭