コラム(各種情報)

新第2回 万次郎と理子の特許をねらえ2

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

 

 

 

(万次郎)みなさん御機嫌よう、サボリーマンの営業マン、佐掘万次郎です。

 

(理子)佐掘の同僚、まったりOLの松田理子です。今日はついに、

社長の無謀なゲーム事業参入を未然に防ぐため……ではなく、

正式にプロの知見を借りるため、街の特許事務所にやってきました!

 

(万次郎)いやぁ、なんだか知的でピリッとした空気が漂ってるねぇ。

サボる隙が見当たらない緊張感だ。

 

(理子)あたりまえです! お仕事モードなんですからキリッとしてください。

あ、いらっしゃいましたよ。今回ご対応してくださる弁理士の先生です。

 

(弁理士)こんにちは。植村統合事務所弁理士の植村です。

本日は「書類をシュレッダーにかける爽快アクションRPG」についての

ご相談でしたね。どうぞおかけください。

 

(万次郎)先生、初めまして!株式会社ザウルス営業部の佐掘万次郎です。

こちらが弊社総務部の松田理子です。

うちの社長がですね、一晩で謎のコードを書き上げて「俺の最強のゲームだ!」って

息巻いてるんですが、これって世の中のゲーム会社から即座に

訴えられたりしますかね?

 

(弁理士)ふむ……。ゲームにおける「システム」や「操作の演出」は、

特許権の対象になり得ます。特に大手ゲーム会社は関連する特許を多数

保有していますので、

事前の「先行技術調査」を行わずに似たようなシステムを公開してしまうと、

特許権侵害で警告を受けるリスクは十分にありますね。

 

(理子)やっぱりそうですよね! 故意じゃなかった言い訳は通用しないって

聞きましたが、本当ですか?

 

(弁理士)はい。特許権の侵害においては、知らなかったという過失の有無に関わらず、

権利を侵害していると判断されれば差し止めや損害賠償の請求対象になり得ます。

だからこそ、開発の初期段階で私たち弁理士に相談し、他社の特許に

抵触していないか調査(クリアランス調査)を行うことが非常に重要なのです。

 

(万次郎)ひぇ~、恐ろしい……。「知らなかった」では済まされない

大人の世界の厳しさですね。先生、もしどうしてもそのゲームを出したいなら、

どうすればいいんですか?

 

(弁理士)そのまま他社の真似をするのではなく、独自性の高いアイデアに昇華させたり、

自社独自の新しいシステムについて逆に「特許出願」を検討する

というアプローチもあります。知財を「守る」だけでなく、

事業を「優位に進める武器」として使うこともできるのですよ。

 

(理子)なるほど……! ただ怯えるだけじゃなくて、

知的財産をちゃんと味方につける戦略が必要なんですね。勉強になります。

 

(万次郎)いやぁ、来てよかった! 社長にこの話をそのまま伝えて、

まずは弁理士の先生にしっかり調査を依頼する稟議書を通してもらうとしよう。

 

(理子)そうですね。社長の暴走を止める最強の盾が手に入りました。

みなさんも、新しい事業やアイデアを形にする時は、

トラブルが起きる前にぜひ私たちのように弁理士にご相談くださいね。

 

(万次郎)それでは、本日はこの辺で。みなさん、ごきげんよう!