コラム(各種情報)

新第1回 万次郎と理子の特許をねらえ

植村 貴昭
この内容を書いた専門家
元審査官・弁理士
行政書士(取次資格有)
登録支援機関代表

 

(万次郎)みなさん御機嫌よう、サボリーマンの営業マン、佐掘万次郎です。

 

(理子)佐掘の同僚、まったりOLの松田理子です。

 

(万次郎)今日聞いた噂だが、社長がオンラインゲームに進出したがっているそうだ。

 

(理子)オンラインゲームって、「ポケモンGO」とか、「ウマ娘 プリティーダービー」とかの。

でも、特許とか大丈夫なんですか。

 

(万次郎)そこが社長のぶっ飛んでるところよ。権利関係なんて後回し、

まずは「俺の作った最強のゲーム空間」を社員に強制インストールさせる気らしい。

 

(理子)いやいや、法的リスクが高すぎてサボるどころの騒ぎじゃないですよ!

開発はどこに外注するんですか?

 

(万次郎)それが、プログラミング初心者の社長が、

週末に一晩でAIに書かせた謎のコードがベースらしい。

「動けば正義だ!」って意気込んでる。

 

(理子)……絶対サーバーが爆発するか、大炎上して会社が別の意味で有名になりますね。

私たちはどうやってその業務を華麗にスルーしましょうか?

 

(万次郎)ふっ、そこは抜かりないさ。

すでに「老眼により画面が見えません」アピールの準備は万全だ。

 

(万次郎)ところで理子くん、さっき特許の話が出たけどさ、

ゲーム業界って特許の権利侵害でめちゃくちゃバチバチやってるって知ってたかい?

 

(理子)当然じゃないですか。それこそ「ウマ娘 プリティーダービー」のシステム特許で、

大手が巨額の損害賠償請求をやってニュースになってますよ(https://toyokeizai.net/articles/-/679752?display=b)。

 

(万次郎)おっ、さすがサボり情報には敏感な理子くん。

じゃあ、うちの社長が作ろうとしてる「書類をシュレッダーにかける爽快アクションRPG」は、

どっかの文具メーカーやゲーム会社から訴えられるかな?

 

(理子)訴えられるどころか即座に営業差し止めですよ!

あんなテンプレみたいなシステム、どこかの特許プールにがっちりガードされてますって。

特許権侵害って、故意じゃなかった言い訳が通じないんですから。

 

(万次郎)恐ろしい世の中だな……。じゃあ、特許を回避するために「書類じゃなくて、

ただの紙くずをゴミ箱に投げ入れるゲーム」にすればセーフか?

 

(理子)そういう問題じゃないです! 本質的に「物をポイ捨てする動作」の特許があったら

アウトですし、そもそもゲームとしての面白さがゼロです。

 

(万次郎)なるほど。では、まず、特許について特許事務所に相談だな。

 

                                 つづく